飼育する海水を育てる「水作り」とは?バクテリアの重要性

今回は水槽内の海水を育てる「水作り」に関してのお話です

 

魚やサンゴを育てる上で絶対に必要なのは当然ながら海水ですよね

その海水の中には目では見えない小さな微生物が沢山存在しており、この子たちが非常に重要な役割を持っているのです

水作りは海水内のバクテリアや微生物を増やしていく期間

魚を飼育していくとエサや糞などのタンパク質で水が汚れていきます、この海水中の汚れを分解してくれるのがバクテリアや微生物です

バクテリア達は汚れの元であるタンパク質を食べて分解しながら海水中で少しずつ増えていきます

 

作ったばかりの人工海水や、立ち上げて間もない水槽の海水だとこのバクテリアがとても少ない状態なのです

バクテリアが少ないと水質はすぐに悪化して魚たちが住めなくなってしまいます

 

水槽のセッティングも終わって早く魚やサンゴを入れたい!という気持ちはとても分かるのですが

まずは我慢して水槽内のバクテリアを増やす水作りをしっかり行う必要があるということです

 

海水内のバクテリアを増やす水作りの方法

海水内のバクテリアを増やす「水作り」ですが、水槽を設置してからの具体的な方法としては

・水槽セッティング後にフィルター等の飼育機器は全部動かす

 

・プロテインスキマーを使用する場合は弱めに設定する(栄養源のタンパク質を取りすぎない)

 

・市販の魚のエサを3日に1回程度「数粒」だけ投入する

 

・照明器具は1日3~5時間程度で抑える(コケ対策)

基本的に水作り期間といっても当然フィルターなどの飼育機器は使用します

バクテリアの栄養源であるタンパク質はごく少量ですが投入し増殖を促していきます(※入れすぎ注意)

私は「メガバイトレッド」3日に一回5粒ほど投入してました

 

また週に一回程度は総水量の20%程度の水替えを行います

【水替えや足し水の方法はこちらの記事を参照】

 

照明器具に関しては短い時間でOKです、一週間もすると茶色いコケが発生すると思いますがこちらは水槽が立ち上がり始めた証拠とも言えるので安心してください

この辺りでコケ取り貝や底砂を掃除してくれるマガキガイを少しづつ入れてみましょう

 

水作りの期間はどれぐらい必要なのか、水質調査の目安

これはかなり意見が分かれるところです

「最低でも1か月!」という人もいれば、「一週間あればいい」という人もいます(笑)

なぜこれだけ意見が分かれるかというと、人それぞれ水槽のシステムが違うからです

 

もっと言えば水槽に必要な生物濾過(バクテリア)の量が違うからです

プロテインスキマーを使用することで極力生物ろ過に頼らないベルリン式のようなシステムと、 生物濾過反応をメインにした水槽では求められるバクテリアの量が全然変わってきます

ですので水作りの期間は自身の水槽のシステムを考慮した上で水質測定キットを使用して判断するのが一番安全だと思います

この際に目安となる測定項目が「亜硝酸塩(No2)」と「硝酸塩(No3)」です

水質が十分にできている(バクテリアが多い)水槽ではタンパク質がバクテリアによって分解され

アンモニア(NH3)→亜硝酸塩(No2)→硝酸塩(No3)となります

ですので水質を測定した際にこの硝酸塩(NO3)が検出されれば水作りができている、といってもいいでしょう

 

但し硝酸塩(NO3)のひとつ前になる亜硝酸塩(NO2)が多く検出される場合はまだバクテリアの分解の途中ということになります

要はまだバクテリアの数が不十分で分解しきれていないということです

この場合はもう少し期間を置いて再度測定してみましょう、またプロテインスキマーを強くかけすぎる分解するたんぱく質が無くなり検出されないことがあるので注意しましょう

 

このように以上の要素から水作りができたかを判断していきます

※硝酸塩(No3)が検出された場合でも基準値を大幅に超えているなどの場合は危険です、水替えをしましょう

 

水槽を始める際に必要な「水作り」ですが非常に大切な過程ですのでしっかりと行うことが大切です

海水水槽で水作り期間を短縮する方法、バクテリアの増やし方

こちらの記事も併せて読んでいただければ役立つはずです