水槽の濾過システムとは?いろんな方式があるけど飼育スタイルに合わせて選ぼう!

今回は水槽の濾過システム」と呼ばれるものについて説明していきたいと思います

簡単に言うと海水をどうやって綺麗な状態にしていくのか?というお話です

生物濾過のしくみ が分かれば簡単に理解していただけると思います

水槽のシステムは飼育する生体によって大きく左右される

水槽にあった濾過システムはどのような生体を収容するかで大きく変わってきます

①生物ろ過反応によって発生する硝酸塩に弱い生体(ミドリイシサンゴなど)を飼育する場合

 

②魚やサンゴ、無脊椎生物、ライブロック(豊富な微生物の塊)等多くの種類を飼育する

 

③たくさんの魚だけ飼育したい場合

 

④水を汚しにくいサンゴ・無脊椎生物を少しだけ飼育する場合

大きくわけてこの4つに分類されると思います

それぞれに見合ったシステムを見ていきましょう!

①ベルリンシステム(生物濾過をなるべくさせないシステム)

硝酸塩に弱い生体(ミドリイシサンゴなど)を飼育する場合はベルリンシステム(ベルリン式)が主流です

この場合は硝酸塩を発生させない事が大事なので、強力なプロテインスキマーを使用して生物ろ過反応が起こる前に原因となる汚れ(タンパク質)を取り除いていきます

わずかに残った汚れは少量のライブロックを使用することで分解します(底砂は無しor薄く敷く)

プロテインスキマーによって失われる微量元素は添加剤や水替えで補っていきます

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②アメリカンドリーム(勝手に命名・多様な生物種)

色んな種類の生体を飼育したい場合ですが、こちらは濾過システムの選定が難しいです

というのも多くの種類の生体が同じ水槽で生きているためそれぞれにバランスを取った濾過システムが求められるからです

魚が多いのか、サンゴが多いのか、求められる水質はどうか?

飼育している生体の内訳でも変わってきますので、状況をしっかり見極めるために水質チェックも大事ですね

こういった水槽ではいろんな状況に対応できる汎用性の高い濾過システムの構築が大切だと思います

 

特にこのタイプの水槽は魚が病気になってしまった場合に効果のある薬品を使用できないというデメリットがあります(魚にとっては薬でも他の生体には毒になる)

治療するには魚を別水槽に出す必要も出てきますので魚の病気を未然に防ぐためにも綺麗な水を作らなければいけません

しかし大変な分上手く飼育できた水槽はとても華やかで魅力的な水槽になります

 

  使用機材としては

・水量に対して適合もしくは余裕のあるプロテインスキマー

 

・生物・物理ろ過が可能なフィルター(外部式・上部式)

 

・水量の1/10Kg程度のライブロック・底砂 厚さ3cm~程度

 

・生体の病気予防として殺菌灯

それぞれの生体の特徴、種類、状態に合わせ調整が必要ですので柔軟な対応ができるような機器選びがポイントです

私個人ではアメリカンドリームと呼んでいます。(他サイトでは通じません…)  

 

③魚だけの水槽

この水槽の場合は魚に与えるエサの量が多くなり、魚が排泄する糞等が多いため水が汚れやすいです

しかし魚自体は硝酸塩にそこまで敏感ではないため生物ろ過を強化することで汚れを分解し浄化する手法がいいでしょう

またプロテインスキマーを使用することでより清浄な水作りが可能になります

この水槽のメリットは②のように病気にかかってもそのまま水槽に薬を入れるだけで治療できることです、わざわざ水槽から隔離したりする必要がないのは助かります

 

実際水槽の魚を網で捕まえるのは非常に難しく、長時間の捕獲劇で本人・魚お互い疲労してしまうという悲しい出来事も起こります…(病気で体力のない魚には大ダメージです)

魚メインの水槽だと幅の広い水槽を使った小型魚が群永している様子は圧巻です!

 

使用機材としては

・水量に対して適合もしくは余裕のあるプロテインスキマー(無しでも可だがその分生物ろ過の強化が必要)

 

・生物・物理ろ過が可能なフィルター(外部式・上部式)特に生物ろ過を重視

 

・水量の1/10Kg程度のライブロック・底砂 厚さ3cm~程度

 

・別途魚の病気予防として殺菌灯等があればなおよし

 

④水を汚しにくいサンゴ・無脊椎生物を少しだけ飼育する場合

この場合は小型水槽での飼育を目指している方・サンゴなどの成長を楽しみたい方などにお勧めかもしれません

エサが不要で光合成でも成長するサンゴや、水槽内のコケや藻を食べる無脊椎生物だけにすることで水の汚れが発生しにくい環境を作ることができます

濾過に関しては底砂・ライブロックによる生物ろ過で十分な場合が多いですが、プロテインスキマーを使用することで水質向上や水替え頻度を少なくすることもできます

小さなサンゴの成長を楽しんだり、ヤドカリなどを愛でるのもいいでしょう。

とても平和な和みの水槽が楽しめるのではないでしょうか!

 

使用機材としては

・物理ろ過専用のフィルター(外掛け)

 

・水量の1/10Kg程度のライブロック・底砂 厚さ3cm~程度

・プロテインスキマー(強力なものは微量元素が減りすぎるため注意)

この水槽の場合底面式フィルターを使用して底砂を生物ろ過として積極的に使用してもいいでしょう

 

あなたの目指す水槽に適した濾過システムを選ぼう

Jpeg

飼育したい生体が決まっている人もそうでない人も、自身の水槽にあった濾過システムは見つかったでしょうか?

システムといっても生物濾過と機器の特徴を抑えていれば理解できると思いますし、水槽を立ち上げた後にも応用ができるはずです

上記以外にも機器を組み合わせて自分だけのシステムを構築される方や、1種の生体にだけ特化したシステムを考えられた方などアクアリウムというのは非常に奥が深い世界です 

その中で先人のアクアリストの方々が試行錯誤しながら組み上げていったのが上記のシステムだと私は思っています

 

いろんな組み合わせを試してみるのも楽しいですが、そのための予備知識として知っておくと大いに役立つと思います